NOBLESSEのエアロ開発に対する拘り

NOBLESSEは、10年以上前より自動車メーカーが1から車を作る際に採用している3次元測定機によるクレイ(自動車開発用粘土)モデル開発に着目。
自動車メーカー出身のクレイモデラー(クレイモデルを作る職人)のスペシャリストを採用し、社外エアロ開発へフィートバックさせています。

もちろん、開発費用は通常の社外エアロが作られる相場の何倍もの費用がかかる方法ですが、
NOBLESSEでは利益の計算よりもまずは高品質なエアロ作りをモットーとしています!その拘りの一部をここでご紹介します。

下記はNOBLESSE自社で保有している設備です。

←の写真、雑誌やNOBLESSEのホームページで
見たことがあるというお客様もいるかと思います。

この鉄板のような床こそ、エアロ開発にとって重要です。

この鉄の床は”定盤”といって、完全な平行を保つ
ことができるとても分厚い鉄の無垢の板です。

沢山の板が組み合わさっており、各それぞれ水平度
を調整できるようになっていて定期的に精密水平器で
測定して定盤全体を水平に保っています。

完全な水平である事が高品質なエアロを生み出す”カギ
”なので、とても重要視している場所です。

通常コンクリートの床に水を撒くと、水たまりが部分部分
にできるのは、その所々の箇所が凹んでいるからです。
そういった凸凹している面の上では右左高さを揃えたエ
アロを造り出す事もエアロで平行なラインを生み出す事
も困難です。
次に3次元測定機のご紹介です。

3次元測定機とは、
①幅「横」方向(黄色)
②高さ「縦」方向(青色)
③奥行「前後」方向(赤色)


の3方向に対して立体の寸法を測定できる機械です。

こちらもエアロ開発でキッチリとした寸法を出すのに
必要不可欠な測定機械です。

この機械は、横方向にスライドし、上下方向にも
前後方向にもスライドして動きます。
車をセットする(定盤の上に車を置く)際に水平かつ
真っ直ぐに置く必要があります。

車が斜め方向へ向いていたり、傾いていたら
正しいエアロの寸法を測定できません。

そこで、車のセンター出しをする時に目安となるのが、
この赤矢印の溝。
この溝は定盤の真ん中を位置しています。
この中心の溝に3次元測定機の先端針を合わせ、
測定機の横幅方向の定規を0に合わせます。
3次元測定機を使って、車のセンターを測定します。

クレイモデル制作中の写真を使っていますが
本来は、この時はまだクレイ(粘土)がついていない
状態ですので、自動車メーカーのエンブレムのセンター
をポイントにして、この針の先端がエンブレムの中心に
くるようにします。


その状態で、先ほど0に合わせた定規が0になった
ままになっているかを確認します。
もし、車が左側へ寄っている状態であれば

左側のジャッキを右側へ向かってハンマーで叩きながら
向きを真っ直ぐになるよう調整します。

床が鉄の板なので、叩くだけで少しずつズレて調整する
ことが出来ます。

←上から見た図です。
フロントのセンターとリアのセンターは3次元測定機で
位置が分かりますので、あとは車の前後のセンターを出
せば車は定盤に対し完全に真っ直ぐ向く事ができます。

前を揃えると、後ろがズレ、後ろが揃うと
前がズレたりしますが、根気よくハンマーで叩きながら
前後のセンターを出します。
次に、車体の傾きを水平に揃えます。

リップスポイラーなどのエアロを作る際は、車体よりも
バンパーの位置が重要なので、バンパーを基本的に
測定して水平にします。


目安となる位置をみつけ、車の左方向へセンターから
何mm移動した事を記録し、高さを測定します。
車の左方向へ移動した距離の分を右方向へ移動し、
同じ高さで同じポイントを測定します。

この時、右と左の高さが合わない場合は・・・↓
左右同じ高さに合うよう、ジャッキの高さを回して調整し
ます。


このポイントだけでなく、他のポイントでも高さを合わせ
ます。 また、リアも同じように左右高さを合わせます。
およそ半日がかりで、車を水平&真っ直ぐにします。

これで初めて完璧なエアロ寸法を測定しながら作る
事ができるようになります。

エアロ開発時、車体をジャッキで浮かせているのはこの
為です。

タイヤの空気圧、バネのヘタリ具合、
OILやガソリン、ウォッシャー液などの量によっても車体
の傾きはmm単位で変化します。

すなわち、いくら水平な定盤の上に車を置いても
こうして車を浮かせて水平にしなければ、完璧な水平
とは言えず、正確なエアロの寸法を出す事は不可能
というわけなのです。
この車のセンター出しのおかげで、左右対称のエアロ
開発が可能になります。


また、このように真ん中へルーバーをもっていきたい時、
この設備があるからこそ、本当の真ん中に
このルーバーをもっていくことができます。
エアロを水平にする為、プレスラインやエアロのライン
など、車が水平かつ床が水平だからこそ、本当の水平
を作る事ができます。

こうした測定機で、赤矢印のように沿って走らせるだけ
で完璧な水平ラインを描くことができるようにもなります。

クオリティの高いエアロを作るには必須です!
また、ぱっと見た感じでは、出っ張っているように見え
るこの意匠。

迫力を出してくれますが、全長をこれ以上伸ばしたくな
いなど、実用性も考えてあまり前方向には出したくない
という時に、3次元測定機を用いて、実際には前方向に
延びていないように測定しながら造る事ができるように
なります。
それでは本当にこの出っ張りが全長に影響を及ぼして
いないか確認してみましょう。

赤い矢印の部分に少し隙間があるのが
お分かりでしょうか?
奥行の寸法は変えないまま、この3次元測定機の
先端針を赤矢印の方向へ向かってスライドさせていくと
・・・
エアロの真ん中の方が針との距離がない
つまり、あの出っ張りの意匠の方が引っ込んでいる
という事がしっかりと確認できます。
この赤矢印のラインを見ても、出っ張りの意匠より
エアロの真ん中の方が伸びているのが確認できます。


つまり、このように測定機を使って確認しながらエアロ
を作れば、その寸法を守って意匠を造る事が可能に
なります。


エアロの奥深いデザインや寸法に拘るNOBLESSEだか
らこそ、この設備はエアロ開発には必要不可欠です。

また、NOBLESSEエアロのデザインは外注に頼る事なく
自社でデザインをしますので、こうした強い拘りがクレイ
モデラーに伝わり、よりよいエアロ開発を可能にしていま
す。


いかがでしたか? これ以外にもまだまだ沢山の拘りと経験がありますが、企業秘密もございますので一部だけをご紹介させて頂きました。

拘り満載のNOBLESSEエアロを是非お楽しみ下さい。